日ごろ、思うことなどつれづれに。 バックナンバーはこちらです。

ヤマトリカブト

散歩コースの雑木林でヤマトリカブトが咲いています。

この林は野草の宝庫です。春にはソメイヨシノの大木の下に、ジロボウエンゴサクが咲きムラサキケマンが咲き、夏にはキツネノカミソリが群生して斜面をオレンジ色に染めます。 秋になるとヤマハッカ、ヤマホトトギスが咲いて、数年前までは毎年ヤマトリカブトが咲いていました。 ところが、ヤマトリカブトは、咲くとなぜかいつも根こそぎなくなって数を減らし、この2-3年は薄紫の兜のような不思議な形をした花は見られなくなっていました。

10月に入ったある朝、笹藪の陰に薄紫色が見えているのに気がつきました。 笹の葉をかきわけてみると、ヤマトリカブトが1株、下の方から穂先まできれいに花を咲かせていました。 道のすぐそばで咲いているので、また誰かが持って行ってしまうかもしれません。 抜いて自分の庭に植えても育たないのに。 ここの環境が合っているから、ここで花を咲かせているのに。 いったいどんな人が持って行くのだろう。

伊勢原の日向地区にある彼岸花自生地でも花が減っているそうです。 観光客が抜いて持って帰るから。  彼岸花の咲く田んぼの持ち主の話では、「持って帰って庭に植えても育たないよ」と忠告しても、「1本くらいいいじゃないの」と持って行くそうです。 「1本くらい...と毎日100人の観光客が1本持って行ったら、1週間だけで700本だよ。白い彼岸花もたくさん咲いていたのに、ほとんどなくなってしまった」と 嘆いていました。 どこかの看板に、「とってもいいのは写真だけ。花は見るだけにしよう!」と記されていたのを思い出します。

雑木林のトリカブトは今年は当たり年のようです。 私が見つけただけで13株ありました。 この林でこんなにたくさん咲いたのを初めて見ました。
植木泥棒さん、どうかこのままヤマトリカブトをここで咲かせてあげてください。

(2008年11月04日記)
今年のヤマトリカブト

top