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くるみとみるくのお医者さん

先々週、先週と、くるみとみるくが順番にお腹の調子が悪くなりました。 最初に具合が悪くなったのはくるみで、表情は冴えないし、暑かったのにぶるぶる震えが止まりません。 いつもは静かに眠るくるみが、フーフー言いながら丸くなって眠っているし。  大変、大変と、かかりつけの獣医さんに電話しました。 momoの前のmaiからお世話になっている動物病院はお父さんも息子さんも獣医さんです。 大怪我したり、子宮内に大量出血したりしたmaiやmomoの危機を何回も救ってくれた獣医さんは豪快な大阪弁です。

電話に出てきたのは院長であるお父さん先生でした。 症状を話すと、「あぁ、悪寒やね。気分が悪いんや。犬も気分が悪い時があるからね」  え?悪寒!? 犬にも悪寒があるんだ?と思いつつ、「そう言えば、朝からうんちがゆるめでした」と先生に話したら、 「下痢だけで吐かないようなら絶食のまま様子見て。下痢止め薬がないんやったら、ビオフェルミンを半錠飲ましといて」 と言うことになりました。

ところが、ビオフェルミンはなかったので薬局まで買いに行かねばならず、keishiくん用の葛粉が残っていたことを思い出しました。 100グラムで800円ほどした吉野のいい本葛粉です。 葛湯を作って飲ませようとしたけど飲まないので、林檎をすり下ろして果汁を加えたら、ようやく食べて、食べ終わったころには震えも止まりました。 くるみは起きて部屋の中を動くようにもなったので先生に電話して、 「おかげさまで震えが止まって、動くようになりました。ビオフェルミンがなかったので、葛湯を飲ませて」と言ったら、 「そんなもんやったらあかんがな」と先生。 「ビオフェルミンがなかったし、葛湯はお腹が悪い時にいいと言うから... でも、葛だけでは食べなかったので、林檎ジュースも入れたら食べました」と言ったら 「そんなもん入れたら、もっとあかんがな」

「悪寒」は止まったけれど、くるみのお腹の調子が戻るまでには数日を要し、やっと治ったと思ったら、今度はみるくが吐きました。 吐くことは時々あるので様子を見ていたら、翌朝にも吐いて、どんな時にも食べることだけは忘れないみるくが、 朝ごはんの用意をしていてもそばにやってきません。 あり得ない!おかしい!と様子を見に行ったら、今度はみるくが情けない顔をしてぶるぶる震えている。 犬の悪寒だ。

みるくが食べないというのは尋常ではないので病院へ連れて行きました。 吐き気止めと栄養剤の注射してもらい、「この子は今日一日は日干しやで」と院長先生。 「ひぼし?」と私。 「絶食ゆうことや。栄養剤打ったあるから、今日は一日食べへんでも平気やから」と先生。 みるくは吐き気止めで気分がよくなったのか、お腹が空いて仕方ないようだけど、絶食の身となりました。 そして、注射した日の夜に、ゴムのような異物入りのうんちを出して元気になりました。 吐き気はその異物が原因のようでした。

獣医さんは大変だと思います。 動物はしゃべらないし、内科、外科、皮膚科、眼科、耳鼻科、歯科、すべてを診なくてはいけません。 みるくを連れて行った時には、ゴルフボールを飲んだかもしれないダルメシアンが来ていました。 先生はダルメシアンくんを抱えて診察台に乗せて、なかなかバリウムを飲もうとしないので、おいしそうなフードでつって飲ませていました。 人間なら自分で診察台に上がっておとなしく寝ているけれど、獣医さんは大きな犬でも、逃げるのを捕まえて、抱えて乗せて、じたばたするのを寝業戦に持ち込まなくてはいけません。

そんな風にお世話になっている獣医さんを、くるみもみるくも嫌いなようです。 先日はワクチン接種のために往診に来てくれた息子先生の顔を見たとたん、くるみは廊下でUターン。 みるくは玄関まで出迎えに行ったけれど、先生の顔を思い出したのか、しっぽを下げて部屋に戻って、部屋の隅っこの、もうこれ以上下がれない隅っこで小さくなって並んで座り、 いくら先生が呼んでも出てきません。 「すみませんねぇ」と言ったら、「かめへん、かめへん。どこへ行ってもこんなもんや。みーんな寄って来よらへん」って。

獣医さんは因果なお商売です。

(2008年5月日25記)
すっかり元気になって、薔薇のそばでうたた寝

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